感動しました! NHK・BS1スペシャル「未解決事件 実録 ロッキード事件」を観 た感想。

昨日、9月24日に放送されたNHK・BS1スペシャル「未解決事件 実録 ロッキード事件」を録画していたので、観てみました。とても良かったので、今日も観てしまいました。

NHKはこの事件を40年前の「戦後最大の疑獄」として、独自に入手した東京地検特捜部の主任検事・吉永祐介が持っていた600点に及ぶ極秘資料をもとにして、
ドキュメンタリーと再現ドラマで描いていました。

まさに、「事実は小説よりも奇なり」ですね。

手に汗握る展開になっていました。
まず田中角栄の実写映像と事件についての簡単なナレーションから始まりました。
そして「あの事件は日本にはびこる“闇”のほんの端っこに過ぎない。
ただあれ以上は触れられない(特捜担当者)」というテロップが出てきました。

そして、再現ドラマが始まりました。
ドラマでは、主人公は資料の所持者だった東京地検特捜部・吉永主任検事で、松重豊が演じていました。

本当の吉永主任検事がどんな人が知りませんが、松重豊の熱演に魅了されました。

彼が集めた情報資料をもとに地検の自室の机上で会議用の資料にまとめるシーンでは、眼鏡をかけて、
資料とほとんど距離がないぐらいまで目を近づけて、短く使い込まれた鉛筆で、
これまた目を近づけて資料を書くといった具合で、本当にそんな形で本人は作業をしていたのかなあと思わせるぐらい、松重のこの演技だけでも緊迫したムードを漂わせていました。

戦後日本の闇の国士でフィクサーの児玉誉士夫は実写映像も流れましたが、
ドラマではほとんど寝たきりの状態だったので、ちょっとがっかりしましたが、松永の部下・松田検事(演:大場泰正)が児玉(演:苅谷俊介)を臨床尋問するシーンは非常に緊迫したものになっていて、すばらしかったです。

ドラマでは児玉の主治医・喜多村を嶋田久作が、児玉の通訳・福田を阪田マサノブが、などなど皆さん好演していましたが、私的には石橋凌が演じた田中角栄はちょっと…?でした。

私は、それだけ田中角栄という人物は凄い存在だったのだなと改めて思いました。

田中角栄が生前放っていた独特の親近感やカリスマ性や威圧感などは、
石橋凌以外の誰が演じても出せないのだろうなあと感じました。

意外とよかったのは、法務省の堀田参事官を演じた石井正則でした。
いい味を出していました。

おもしろかったのは、隠密にアメリカの未公開資料を実際に受け取る田山事務官と水野事務官が、「マフィアに狙われるかもしれないから」と付け髭をしてチンピラみたいな格好で変装して渡米し、帰国するところでした。
セリフは、本当に本人がそう言ったのかは定かでないので、脚本上の脚色もあっ
たと思いますが、よい言葉がありました。
例えば、NHKの吉永番記者・伊達(演:眞島秀和)が吉永主任検事に「8年前の事件以来、何もしてない」と問いつめたときの、吉永主任検事の「現首相だろうが、誰だろうが、令状が出れば逮捕するのが俺達・検察だ!」のセリフは抜群でした。
さらに感動したのは田中角栄が逮捕されたりした後の終盤で吉永主任検事が番記者・伊達に「俺達のやってることはな、ドブさらいといっしょなんだ。…そこへどういう水を流すのかは、それこそ政治家であり、お前達マスコミであり、広く言えば、国民一人一人が考えるこ
とだ。」と言うと、伊達が「それまでは検察の仕事ではないと…?」と聞き返すと、吉永が「それをやったら、検察ファッショになっちまうだろうが!」というセリフです。

超感動しました。
結局、この事件は関係者の死などで、児玉ルートの21億円の使途は不明で終わり、未解決事件になります。

最後に、裁判に対する田中角栄の弁護士や娘・田中眞紀子の見解、検察の見解、そして児玉が1977年6月に一度だけ公判に出廷したときの映像、彼の「天下を論じ、国家を論じる者が、それが商売であってはいけないんだと…」と言及している映像で、この番組は幕を閉じます。

しかし、40年前のこの事件で流行語になった「記憶にございません」という言葉や、衆議院予算委員会で全日空・大庭前社長が答弁中に震え倒れた実際の映像が、忘れかけていた ものを私を含めた視聴者に思い出させるものになっていて、非常にいい番組でした。

下手なミステリー映画よりも、遙かにすばらしいドキュメンタリーで、見逃さなくて良かったと思いました。