シン・ゴジラ大ヒットの要因

12年ぶりの日本版ゴジラ復活となった「シン・ゴジラ」が今年度邦画実写映画NO1の見込みとなってきている。

改めて、この未曽有の大ヒットの要因を考察して参りたい。
まず、東宝は9月7日、国内ゴジラ映画の12年ぶりの作品となる「シン・ゴジラ」の観客動員数が420万人を突破したと発表した。

420万人・・・。この数は、92年公開の「ゴジラVSモスラ」が記録した数字であり、平成に入ってのゴジラ映画また平成ガメラなども含めた、平成で制作された怪獣映画の中で最高の動員であった。

ゴジラVSモスラが大ヒットした要因として、脚本を務めた大森一樹はゴジラシリーズは「ゴジラ映画には縦の流れがある」と述べていた。
要するに、日米決戦と同時話題となり、1255万人(国内日本映画歴代観客動員数でも第13位)というシリーズ最高の動員を記録した第3作の「キングコング対ゴジラ」(1962年)をを見た世代が親となり、平成ゴジラ最高の動員を記録した「VSモスラ」の頃に、子供を連れて行ったいという流れがあった。

私自身、父親にVSモスラを連れて行ってもらったのが、最初の映画鑑賞でもあり、ゴジラとの出会いでもあった。
更に、福岡市で開催されていた「ゴジラ展」に行った際に、来場者はまさに老若男女。
その中でも、おじいちゃんが「おっ!これおじいちゃん見たよ。オキシジェンデストロイヤーだ!」(第一作)とお孫さんに説明したり、「あれはキングギドラだよ!」(第5作地球最大の決戦)とお父さんがお子さんに熱く語る姿があちこちで見受けられた。

国内でゴジラは12年間制作されなかったこともあり、ゴジラを知らないお子さんもいると思うが、こうした家族の触れ合いを通して、ゴジラが新たな世代へと継承していくことを感じた。

60年の歴史を誇るゴジラ映画だからこそ成し得ることのできる現象であった。
一方、1999年から2004年に制作されたミレニアムシリーズは成績を出すことができず、2001年公開の「ゴジラ、モスラ、キングギドラ大怪獣総攻撃」からはアニメハム太郎と同時上映を行う事態となった。
そして、2004年に「ゴジラFINALWARS」がゴジラ50周年作品として莫大な製作費で制作されたが大コケしてしまい終焉を迎えてしまった。
その理由は、ゴジラを死を描いた「VSデストロイア」の完結のインパクトが強かったことも原因の一つであったと思われるが、VSシリーズを見た世代はこの頃、中高生でありゴジラや怪獣から離れた世代が多くいた。

ミレニアムシリーズはゴジラファンのみが訪れていたと言ってもいい時期でもあった。
しかし2014年、ゴジラ生誕60周年のこの年にギャレス・エドワーズによる「GODZILLA」が公開され全世界で大ヒット。
また、先ほど紹介した福岡で先月まで行われていたゴジラ展が東京で開始されたここで、刮目すべきところがある。

2014年公開のGODZILLAは世界的に大ヒットをしたが、国内においては、通信社調べ)で初登場第1位となった。
最終的な興行収入は32億円となり、第3期ゴジラシリーズ(ミレニアムシリーズ)で最大のヒットになった『ゴジラ・モスラ・キングギドラ大怪獣総攻撃』の27.1億円に上回り観客動員数は218万人を記録した。

コケたわけではないが騒ぐほどの大ヒットとはならなかった。これが今回の本題である。

2014年、ギャレゴジが7月25日に公開したのだが、この時期に公開していた映画の興行ランキングは次の通りだ。
1位STANDBYMEドラえもん2位マレフィセント3位るろうに剣心京都大火編4位思い出のマーニー5位 GODZILLAこのうち、ドラえもんと思い出のマーニーは東宝配給の作品である。
従って私が思う、ギャレゴジがこのような結果に終わったの要因は完全なる東宝の戦略ミスともいえるように思う。
この時期は、他にもトランスフォーマーなどメガヒット作品が目白押しであった。
そんな中を世界で記録的大ヒットを遂げたギャレゴジ。1998年に公開した「GODZILLA」でハリウッドはゴジラを作っていたがゴジラとは言い難い大失敗に終わり、ファンも警戒していたのかもしれないということもある。
しかし、ドラえもんと思い出のマーニーもだが、この2014年夏の映画は大ヒット作品ばかりだったため、熾烈な戦いが充分に予想ができた。
一方、シン・ゴジラは、記録的大ヒットを遂げている新海誠の「君の名は」が公開するまでは映画ランキング一位を走ってきた。

ディズニーの「ファインディング・ドリー」やワンピース、仮面ライダー、ポケモン、インデペンデンズデイなど強敵はいたものの、2014年ほどの強敵ではなかった。
また、総監督を務めたのが、新世紀エヴァンゲリオンの庵野秀明ということも大ヒットの要因である。

エヴァンゲリオンが1996年にテレビ放送され、アニメ界のサードインパクトと言われるほど社会現象を巻き起こした。(ファーストインパクトはヤマト、セカンドインパクトはガンダムと言われる)2007年に公開し現在続編が制作休止状態のヱヴァンゲリヲン新劇場版は三作合わせて113億円の興行収入を記録し大ヒットを遂げている。
そのいわゆる「エヴァファン」「庵野ファン」も大勢来場していることも、シン・ゴジラ大ヒットの要因の一つであり、シン・ゴジラが様々な角度でファンを取り込んでおり、女子でシン・ゴジラを語るなど謎の集団も存在しているらしい。
しかも、彼ら彼女らは何度も映画館に足運んでいるようだ。
シン・ゴジラの私の感想は実はまだ述べていない。完全に公開が終わったときに書いていこうと思う。
ともあれ、シン・ゴジラが大ヒットしてくれたことで、再びゴジラ映画が続きゆく突破口となったことは事実である。

これからもゴジラ映画が続いていくことを心から念願したい。